日本の二大コリアンタウンを比較すると、その性格の違いがより鮮明に浮かび上がる。東京の新大久保が絶え間なく新しい店舗が入れ替わる「動的で実験的なメディア都市」であるならば、大阪の鶴橋や生野(桃谷)は、戦前から続く歴史の厚みと人情が息づく「生きた生活文化の集積地」だ。
鶴橋の駅前に広がる迷路のような市場には、三代にわたってキムチを漬け続けるオモニの店や、チマチョゴリの仕立て屋が今も堂々と暖簾を掲げる。一方で、そのすぐ隣の路地にはZ世代が手がけるスタイリッシュなスタンドバーが溶け込む。古い歴史の文脈を壊すことなく、新しいカルチャーを自然体で受け入れる器の大きさが、鶴橋・生野エリアならではの唯一無二の魅力となっている。