プフを語る上で外せないのが、シリアスな極限状況の中で突如として炸裂するバイオリン演奏と過剰なまでの「顔芸」です。
激情に駆られると所構わずバイオリンをかき鳴らし、歓喜と絶望の間を激しく乱高下するプフの表情筋は、もはや人外の領域へと達していました。アニメ版(声優:羽多野渉氏)では、その演劇的で粘着質な美声と、発狂寸前の絶叫の演じ分けが見事なシナジーを生み出し、放送当時のSNSやコミュニティでは「今週のプフ」「顔芸が凄すぎて話が入ってこない」と大きな反響を呼びました。
しかし、この滑稽とも思える過剰演出は、単なるギャグではありません。「王を愛するがゆえに、自らの行動が反逆であるという自己矛盾に精神が耐えきれていない悲鳴」を作劇上ダイナミックに可視化したものです。笑いと狂気、そして哀哀たる悲劇性が表裏一体となったプフの描写は、冨樫作品ならではの卓越した心理描写の極致と言えます。