都内のIT企業で働く男性(26)は、毎月3万2000円の返済を続けている。大学4年間で借り入れた無利子と有利子の奨学金は総額約500万円。額面での給与は22万円だが、社会保険料や住民税が引かれ、手元に残るのは18万円に満たない。家賃と光熱費、そして食費を支払えば、貯金など夢のまた夢だ。「何のために大学へ行ったのか分からない。ただ生きるためだけに働いている」と彼は力なく笑う。
このような事例は珍しくない。奨学金は「借入金」であるにもかかわらず、進学時にはその重みが実感しにくい。社会に出た瞬間に突きつけられる現実とのギャップが、若者たちの精神を蝕んでいく。