料理本やネット動画では「ヒダを6〜8個細かく刻むのが美しいプロの技」と紹介されるケースが散見されます。しかし、中華街の点心師へのヒアリングおよび調理実験を行うと、この常識には大きな落とし穴があることが分かります。
そもそも、餃子の包み方でヒダを作る理由は装飾性だけではありません。平らな丸い皮で立体的なタネを包む際、外周に生まれる「円周の余り」をヒダとして折り込むことで、底面を平らにしてフライパンに密着させ、同時に内部の蒸気圧を逃がすためのアコーディオン機能を果たすためです。
ところが、家庭用の薄い皮で無理にヒダの数を増やしすぎると、折り目が重なった部分の生地が分厚くなり、「焼きムラ」の原因になります。底面の薄い部分は焦げているのに、ヒダが集中した上部は粉っぽく生焼けになるという現象は、過剰なヒダ作りに起因しているのです。家庭用であれば、「ヒダは片側に3〜4個」で十分であり、それ以上増やすメリットは科学的にはほとんどありません。