手軽に使える塗り薬だからこそ、誤った使い方をすると症状を悪化させたり重大な事故を招いたりする危険性があります。特に注意すべき典型例を挙げます。
もっとも危険な使い方のひとつが、「鼻の穴の中に直接塗り込む」行為です。鼻づまりを即座に治したいからと鼻腔内に塗ると、粘膜が強い刺激で炎症を起こすだけでなく、油分が気管から肺へ吸い込まれて「リポイド肺炎(油脂性肺炎)」を引き起こすリスクがあります。目や傷口、湿疹のある部位にも絶対に塗ってはいけません。
また、気管支喘息(ぜんそく)の持病がある方は慎重な判断が必要です。メントールやカンフルの強い刺激臭が引き金となり、気管支が反射的に収縮して激しい喘息発作を誘発してしまうケースが報告されています。喘息持ちのお子さんや成人が使用する場合は、事前にかかりつけ医へ相談してください。
さらに、ヴェポラップを塗っても「咳が何日も止まらない」という場合、背景にマイコプラズマ肺炎、百日咳、気管支炎、あるいはアレルギー性咳嗽などの疾患が隠れている可能性が高いです。ヴェポラップはあくまで対症療法であり、感染症の原因菌やウイルスそのものを退治する抗生剤のような力はありません。発熱が続いたり、呼吸時にゼーゼー・ヒューヒューという異音が混ざる場合は、迷わず医療機関を受診してください。