SNSや美容系コミュニティで「デパコス級」と評される市販クレンジングが急増している背景には、化粧品受託製造(OEM)技術の劇的な進歩と、原料調達の最適化があります。かつて1本3,000円〜5,000円クラスの高価格帯クレンジングでしか実現できなかった高級植物油脂(マカデミア種子油、コメヌカ油、トウモロコシ胚芽油など)をベースにした処方が、現在では1,000円〜2,000円前後のドラッグストア向け製品にも積極的に採用されるようになりました。
一般的な安価なクレンジングオイルには、原料コストが極めて低いミネラルオイル(鉱物油)やエステル油が主成分として用いられます。これらはメイク落ちに優れる反面、肌の潤いを保つ皮脂膜や角層細胞間脂質まで一気に奪い去りやすいという弱点がありました。一方、人間の皮脂構造に近いトリグリセリドを主成分とする油脂系オイルは、肌のバリア機能を保護しながら角栓をゆるめて溶かし出すという理想的なクレンジング作用を発揮します。この高級処方がドラッグストアのプチプラ製品に普及したことこそが、「洗い上がりがデパコスに劣らない」と評価される最大の要因です。
さらに、洗浄成分である界面活性剤の進化も無視できません。すすぎの瞬間に一瞬で水と馴染む「ナノ乳化技術」や、肌への摩擦を最小限に抑える「クッションジェル構造」の導入により、肌への物理的負担を劇的に低減させた製品が市販市場に定着しています。