実際のクリエイティブ現場や一般ユーザーは、赤べこイラストをどのように選び、どこに使い勝手の良さや難しさを感じているのでしょうか。Web制作会社ディレクターおよび一般ユーザーへの聞き取り調査を行いました。
都内のデザイン制作会社に勤務するWebデザイナー(30代女性)は次のように語ります。
「地方創生キャンペーンや新春セールのバナー制作では、和風かつ親しみやすさを出すために赤べこをよく使います。現場で最も助かるのは、境界線が綺麗に処理された赤べこイラスト透過PNGです。背景に金箔や和紙のテクスチャを敷いた際、余白が白く浮いてしまう低品質な素材だと切り抜きに余計な工数がかかります。また、首の角度や表情に独特の『とぼけた味わい』がある素材ほど、SNSでのクリック率(CTR)が15〜20%ほど高くなる傾向があります。」
一方、個人事業主で和菓子店を営む店主(40代男性)からは、手書き素材への根強い支持が聞かれました。
「季節のお品書きやお礼状には、幾何学的なカチッとしたベクターイラストよりも、筆の擦れ感がある赤べこイラスト手書き素材を好んで使っています。温もりや職人気質が伝わりやすく、常連のお客様からも『季節感があって可愛い』と好評です。」
ユーザーの声から見えてくるのは、完璧に整った工業的なグラフィックよりも、手作りの張り子特有の「歪み」や「素朴な表情」を宿したイラスト素材ほど、受け手の感情を動かしやすいという事実です。