広陵高校が「プロ野球選手の宝庫」と呼ばれる理由は、単に素質の高い選手を集めているからではありません。中井監督が最も重視するのは「野球を通じた人づくり」であり、技術指導の前に徹底した人間教育が行われています。
その象徴と言えるのが、全寮制の中で行われる生活指導の独自ルールです。多くの運動部で見られる「下級生が雑用をこなし、上級生が威張る」という悪しき風習を中井監督は完全に排除しました。広陵高校の寮では、最上級生である3年生が率先してトイレ掃除やゴミ拾いを行い、下級生を気遣う文化が徹底されています。
「人間的に成長しない奴は、どんなに技術があっても大舞台で役に立たない」「一番大事なのは、気配り、目配り、心配り」という教えのもと、挨拶や礼儀、整理整頓を身体に染み込ませます。こうした規律の中で培われる「感謝の心」と「自律心」こそが、プロ入り後や社会人になっても息の長い活躍を可能にする本質的な土台となっています。