「男らしくいなきゃいけない」という無言の圧力に長年悩み続けたと、かつて素直な胸の内を語っていた。従来の芸能界において、演歌という伝統的なジャンルは特に明確なジェンダーイメージを求められる世界だった。紋付袴に身を包み、ファンが求める「爽やかな好青年」を演じることへの誠実さと、内に秘めた本性との間で揺れ動く歳月は決して短いものではなかった。
活動再開後の発言や表現からは、男性か女性かという二項対立の枠組みそのものを越えようとする姿勢が強く感じられる。自らを特定のカテゴリーに押し込めるのではなく、「ありのままの自分」「きよしでありKIINA.でもある存在」として歌い続けること。男性的な美しさも女性的な美しさも等しく体現するジェンダーレスな境地こそが、性別というテーマをめぐる彼の告白における最も本質的な真実といえる。