自分自身と家族の命を守るためには、行政が配付・公開している各種マップを「立体的に」読み解く技術が求められます。静岡県が統合的に提供する静岡県津波ハザードマップおよび各市町の詳細図を見る際、特に注視すべきポイントは以下の2点です。
一つ目は「河川からの逆流浸水区域」です。例えば静岡市浸水想定区域を確認すると、駿河区用宗などの海岸線だけでなく、巴川沿いの低地部が広範囲に黄色や赤色の浸水予測で塗られています。津波は海岸の堤防を乗り越えるだけでなく、川を遡上して内陸の堤防を破壊し、街の背後から襲いかかります。海岸から離れた市街地に住んでいても、水系が近い場合は警戒が必要です。
二つ目は「避難施設の収容人数と到達所要時間」です。焼津市津波ハザードマップでは、海岸堤防の高さと想定津波高の差から生じる浸水リスクが色分けされていますが、重要なのは「自宅から指定避難所まで徒歩で何分かかるか」という現実的な移動時間です。夜間の停電、地震による道路の地割れやブロック塀の倒壊、自動車の渋滞などを考慮すると、平時の歩行速度の2倍以上の時間がかかります。ハザードマップを見る際は、単に自宅が色塗りのエリアに入っているかだけでなく、「迂回ルート」や「第二の避難先」まで想定しておく必要があります。