作品を象徴するアイコンといえば、戦乙女(ワルキューレ)長姉・ブリュンヒルデの存在を外すことはできない。神話ファンタジーの荘厳さと、怒濤のバトル・アクションを繋ぐ彼女のキャラクター造形は、本作のビジュアルアイデンティティを決定づけている。
北欧神話の厳かな雰囲気を漂わせる瀟洒なドレス姿でありながら、ひとたび感情が爆発すれば、顔面を崩壊させたような凄まじい「変顔」や憎悪の形相を露わにする。この振り幅の大きさこそが読者を惹きつける。冷徹な策士としての美しさと、神々への復讐に燃える生々しい人間臭さ。光と影が交錯する陰影処理が、彼女の二面性を際立たせ、ドラマの緊張感を最高潮へと引き上げる。