近年の外食・レストラン産業における最大のトレンドは、単なる「激辛」や「エスニック風」を超えた、特定の地域文化に根ざしたローカルフードの深掘りだ。なかでも、南インド・カルナータカ州の沿岸都市マンガロールの食文化は、既存の南インド料理とは一線を画す。一般的な北インドの濃厚なバターチキンや、南インドのサラッとしたサンバールとも異なり、ココナッツと新鮮な魚介、そして独自の配合によるスパイスカレーが主役を張る。
この独特な食体験が、本物志向を強める日本のグルメファンの心を掴んで離さない。新鮮な鰆や海老、蟹などの海の幸を贅沢に使い、爽やかな酸味を持つタマリンドやココナッツミルクで仕立てたカレーは、重たさがなく身体にすっと染み渡る。日常の食卓に新たな刺激を求める現代人がたどり着いた新境地だ。