スクリーン上の強烈な対峙とは対照的に、二人の距離感を物語るもう一つの要素が所属事務所の関係性だ。当時、ソニー・ミュージックアーティスツに所属していた二人は、単なる先輩・後輩という言葉では括れない不思議な空気感を共有していた。
若き日の二階堂ふみにとって、圧倒的な実力と独特の立ち姿を持つ新井浩文は、時に頼もしい兄貴分であり、時に超えるべき壁でもあった。現場の合間に見せた何気ない会話や、役作りに苦悩する二階堂を静かに見守る新井の眼差し。スタッフの証言によれば、過酷なロケ現場でも二人がそろうと不思議な安心感が漂ったという。お互いの才能を誰よりも評価し合っていたからこそ、カメラが回った瞬間に一切の手加減なしでぶつかり合えたのだろう。