群馬県と新潟県の県境に立ちはだかる「関越トンネル」は、全長約11キロメートルに及ぶ日本屈指の長大山岳トンネルだ。トンネル内部に入ると、景色の変化のなさから速度感覚が麻痺しやすく、金属的な壁面の反射や特有の圧迫感がドライバーの神経を磨耗させる。長距離運転の疲労が蓄積した状態で突入すると、居眠り運転や不必要なブレーキ事故のリスクが跳ね上がる。
このトンネルを走る上での最大の注意点は、坑口(トンネル出入口)における激しい気候の急変だ。特に冬場、群馬側の晴天からトンネルを抜けて新潟側に脱出した瞬間、視界がゼロになるほどのホワイトアウトに見舞われることが少なくない。トンネル内では危険物積載車両の通行制限が厳格に敷かれており、前照灯の点灯や十分な車間距離の確保が命を守る鉄則となる。