語り草となっているのが、クライマックスに用意された三菱自動車の車輌テスト施設での大乱闘だ。巨大な油圧プレス機や衝突実験装置、回転するロードシミュレーターなど、産業機械のギミックをフル活用したスタントは息を呑む完成度を誇る。ジャッキーが二役で同時に敵を翻弄するアクションは、ワイヤーワークとアナログな身体能力の限界が融合した圧巻のシークエンスだ。
一方で、指揮者マー・ヨウになりすましたワン・ボウが、適当な身振り手振りで本物のプロオーケストラを奇跡的に指揮してしまうコンサートホールの場面は、映画史に残るコメディの傑作シーン。緊張と緩和の落差で観客を惹きつけるジャッキー流エンターテインメントの真髄がここにある。