近年、世界の映画界ではアジア文化圏が発信する繊細な叙情性への注目がかつてないほど高まっている。カンヌ国際映画祭などで高い評価を得てきた是枝裕和監督の家族劇に見られる緻密な人間観察や、新海誠監督が描き出す圧倒的な色彩美と情緒豊かな世界観は、国際的な映像表現の基準を確実にアップデートしてきた。
また、アニメーションの金字塔として世界的な支持を集める『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のように、言葉を超えて人間の情愛を静かに紡ぎ出す表現技法もまた、海外のクリエイターに多大な影響を与えている。そうした普遍的なヒューマンドラマの系譜を受け継ぎつつ、国際共同制作の枠組みを活用した新しい映像エンターテインメントが、世界の映画ファンの心を深く捕らえて離さない。