飛鳥・難波の遺跡発掘調査が進む中、2026年現在の古代史研究は新たな展開を迎えている。かつては『日本書紀』の記述通り、645年を境に一気にすべての改革が完成したと信じられていた。だが、発掘された木簡の年代分析や都城跡の構造解析により、「大化の改新」で示された改革プログラムの多くは、数十年後の天武・持統天皇期、さらには大宝律令の完成に至るまで、段階的かつ試行錯誤を繰り返しながら具現化されていったことが明白になってきた。
日本初の元号「大化」が作られた時期に構想された理念が、いかに長い年月をかけて現実の制度へと落とし込まれたのか。近年の研究は、劇的なクーデターという「点」の記憶と、長年の行政的努力という「線」のプロセスを切り離して評価する方向へと進化している。過度な神話化を脱し、実証的でリアリティのある歴史像が今、描き直されている。