アブに刺された直後の数時間が、痕を残すか否かの運命を分ける。刺されたと気づいたら、間髪入れずに冷たい流水で傷口を洗い流すことが最優先だ。唾液成分を物理的に洗い流すと同時に、患部を徹底的にアイシングして毛細血管を収縮させ、アレルギー物質の発散と炎症の広がりを最小限に抑えなければならない。温めたり揉んだりする行為は、毒素を広げるだけの逆効果だ。
応急処置の次に求められる皮膚科推奨の治療ステップは、速やかな抗炎症薬の投与である。赤みや熱感が酷い段階では、強力な抗炎症作用を持つ外用ステロイドを躊躇なく使用することが推奨される。早期に炎症の火種を鎮火することこそが、後の黒ずみ(色素沈着)や頑固なしこりの発生を防ぐ絶対的な防波堤となる。