プロの現場で活躍するメイクアップアーティストたちの技法には、素人が陥りがちな「隠すための重塗り」とは真逆の発想がある。トップアーティストの小田切ヒロ氏をはじめとする美の先駆者たちが提唱するのは、素肌感を活かしつつ光と影を巧みに操る「引き算」の美容術だ。
最近のメイクアップ・あか抜けコンテンツにおいて注目されているのは、顔の余白をいかにコントロールするかという視点である。顔のパーツそのものを変えるのではなく、シェーディングとハイライトを骨格に合わせてミリ単位で配置し、立体感を浮き彫りにする。目の錯覚を応用した求心・遠心メイク、唇のオーバーリップラインによる人中短縮など、プロの緻密な計算が施された技術は、造形そのものの印象を劇的に塗り替えてしまう。