今年の大会は、スタート直後から目の離せない展開が続いた。男子100m決勝では、追い風1.2メートルの絶好のコンディションの中、中盤からの圧倒的な伸び脚を見せた選手が10秒台に迫る大会新記録で優勝。勝敗を分けたのは、後半50メートルからのフォームの安定性と、ラスト10メートルでの力みのなさだった。勝者と敗者の差はわずか0.03秒。ほんの一瞬の判断や脚の引きつけの違いが、そのまま着順へと直結するシビアな世界がそこにあった。
女子共通800mでも、最終コーナーからの劇的な逆転劇が演じられた。ハイペースな展開に食らいついた2位の選手がラスト100mでスパートを仕掛け、見事な抜け出しでトップフィニッシュ。上位に入賞した選手たちのタイムは、いずれも全国大会の標準記録を大きくクリアする水準であり、今大会のレベルの高さを象徴する結果となった。全着順と最新のランキングデータを振り返ると、個々の選手が磨き上げてきた技術と精神力が、勝負どころで見事に結実したことがはっきりと見て取れる。