健康意識の高い消費者が最も気にするのが、栄養価と腸内環境への影響だ。「生きた乳酸菌」を取りたいならば、加熱処理を施していないナチュラルチーズに軍配が上がる。腸内フローラを整え、免疫機能や整腸作用をサポートする善玉菌が活発に機能しているからだ。ただし、非加熱のナチュラルチーズは賞味期限が短く、管理温度を怠ると過剰な発酵が進んでしまうデリケートさを持つ。
一方で、プロセスチーズは製造時に加熱殺菌が行われるため、生の乳酸菌そのものは死滅してしまう。だが、ここで「栄養がない」と決めつけるのは尚早だ。加熱殺菌を経ても、骨の形成に欠かせないカルシウムや高品質なタンパク質、ビタミンA・B2といった栄養素はほとんど損なわれない。それどころか、加熱によって生じた死菌体(プレバイオティクス)が腸内の善玉菌の餌となり、間接的に腸内環境の改善に寄与するという研究結果も報告されている。目的に応じた選択こそが重要なのだ。