びわの葉エキスを調べる中で、最も多くの人が懸念を抱くのが「毒性があるのではないか」「発がん性やシアン中毒の危険がある」という情報です。この噂の震源地となっているのが、植物成分アミグダリン(青酸配糖体)をめぐる論争です。
過去、アミグダリンは「ビタミンB17」と称されてがん治療の代替療法として脚光を浴びた経緯があります。しかし、米国FDA(食品医薬品局)や国内外の医学研究機関による厳格な臨床試験の結果、抗がん作用に対する有効性は否定されました。さらに、アミグダリンが体内で分解される過程で微量のシアン化水素(青酸)を発生させることから、過剰摂取による健康リスクが浮き彫りになったのです。
農林水産省や厚生労働省は、特に「びわの種子(核)を粉末にした食品」の高濃度摂取に対して強い注意喚起を行っています。種子には葉の数十倍から数百倍のシアン化合物が含まれている場合があり、粉末をスプーンで多量に直接飲むような行為は急性中毒を引き起こす恐れがあります。
一方、「成熟したびわの葉を用いた外用エキス」については、以下の理由から正しく扱えば過度な恐れを抱く必要はありません。
- 葉に含まれる濃度は極めて微小:種子とは異なり、成熟した緑色の葉に含まれる青酸配糖体の量はごく微量である。
- 外用(皮膚塗布)での安全性:皮膚からシアン化合物が危険域まで血中移行することは通常のスキンケアや湿布では考えにくい。
- 飲用時の厳格な希釈:内服する場合でも、生薬としての枇杷葉茶のように適切に熱処理・希釈されたものであれば古くから安全に利用されている。
ただし、アルコール抽出液を「原液のまま大量に飲む」行為は、アルコール自体の急性毒性や胃粘膜刺激を含め極めて危険です。内服する場合は、熱湯で完全にアルコールを飛ばし、数滴を薄めて飲む程度に留めるか、市販の枇杷葉茶を利用するのが安全管理上の鉄則です。