価格転嫁を行わず「100円オンリー」を貫く――この強烈な方針を推進するのが、業界でも稀有なシステム経営で知られる株式会社セリアであり、その舵取りを担う代表取締役社長の河合映治氏だ。
同社は従来から、POSデータに基づく精密なリアルタイム売上分析や自動発注システムを駆使し、徹底した店舗運営の省力化と在庫の最小化を図ってきた。無駄を徹底的に排除したデータドリブン経営こそが、激甚な原価高騰の中でも100円均一ビジネスを継続できる最大の武器であった。
だが、極限まで無駄を削ぎ落としたシステムを以てしても、限界利益を下回る不採算店舗の発生は避けられない。河合社長率いる経営陣が下した決断は、全品の価格を引き上げることではなく、利益を生み出せない店舗を迅速かつ冷徹に切ることだった。ブランドのアイデンティティである「100円」を守り抜くため、赤字店舗のスクラップに踏み切ったというわけだ。