単なるカサつきの段階を超え、深い亀裂や炎症が生じている場合、そこには単なる乾燥以上の病理が隠れています。初期症状を見逃して進行させると、痛みのために足を浮かせて歩く「跛行(はこう)」が起こり、治療に数カ月を要する事態に発展します。
進行段階ごとの典型的なメカニズムと対処法は次の通りです。
- 初期(乾燥・軽度の角質化):表面が白っぽく粉を吹き、触ると硬い。この段階であれば、日常的な犬の肉球ガサガサの治し方として低刺激の保湿クリームを塗り込むことで柔軟性を取り戻せます。
- 中期(ひび割れ・出血):硬化した角質が体重を支えきれずに裂け、歩行時に肉球ひび割れ出血の原因と対処法が問われる状態です。出血がある場合はまず清潔なガーゼで圧迫止血を行い、化膿を防ぐために自己判断で軟膏を塗らず、速やかに動物病院で抗生剤や医療用保護材の処方を受けてください。
- 重度(赤み・腫れ・ただれ):指の間や肉球の縁がピンク色から鮮紅色に変色し、熱を持っている状態です。これは犬の肉球が赤い腫れの病気として知られる「指間皮膚炎」やマラセチア毛包炎、アトピー性皮膚炎の二次感染が強く疑われます。
ここで飼い主を悩ませるのが、犬が肉球を頻繁に舐める理由です。犬は足先に違和感や痛み、強い痒みを感じると、本能的に舐めて治そうとします。しかし、唾液に含まれる常在菌が傷口に入り込むと湿潤環境が保たれて細菌が爆発的に増殖し、さらに痒くなって舐め壊すという「負の連鎖」に陥ります。エリザベスカラーを装着して物理的に舐めさせない環境を作り、根本的な皮膚炎の治療を行うことが先決です。