かつて暴力団事務所の玄関に堂々と掲げられていた金文字の代紋プレートは、現在、街中からほぼ姿を消した。警察庁主導による暴力団排除条例(暴排条例)の全国的な定着と暴力団対策法の相次ぐ改正・強化が、その物理的な存在感を徹底的に削ぎ落としたからだ。2026年の今日、代紋を露出させて威圧感を与える行為自体が即座に摘発対象となり、経済活動からの排除を意味する。
かつて組員が胸に誇らしげに着用していた代紋入りのバッジ(社章に酷似した金バッジ)や、名刺に印刷された金色に輝くマークも厳しく制限されている。表社会からの完全な遮断が進むにつれ、組織の「看板」としての代紋は潜伏化し、デジタル空間や匿名化されたネットワークへと移行する裏社会の変容を裏付けている。見せるための標章から、隠すべきリスクへと変質したことが、近年の最も著しい変化と言える。