小芝風花がこれまでに発表した紙の写真集は、10代の瑞々しさを収めた1st写真集『風の名前』(2016年、ワニブックス)と、20代への突入を記念して制作された2nd写真集『F』(2019年、ワニブックス)の2冊です。この2作を比較すると、彼女が辿った劇的な表現の進化が明確に読み取れます。
1st写真集『風の名前』は、19歳当時の彼女を捉えたドキュメンタリータッチの作品でした。ロケ地となった沖縄の大自然を背景に、スクール水着を思わせるシンプルなワンピース水着や浴衣姿など、少女から大人へと移り変わる一瞬のピュアさを前面に押し出しています。当時のインタビューでも「等身大の自分を見せる恥ずかしさと楽しさがあった」と語っていた通り、清純派女優としての王道をいく仕上がりでした。
対して、21歳で撮影に臨んだ写真集『F』は、明確なコンセプトを持って制作されました。タイトルの「F」は、自身のイニシャルであると同時に「First Step」「Female」などの意味を内包しています。沖縄のホテルやビーチで撮影されたカットでは、従来のイメージを覆す大胆なビキニ姿、背中が大きく開いたバックシャンな衣装、さらには白のインナーウェアを纏った艶やかなカットが惜しみなく披露されました。発売記念イベントで彼女は「大人の女性としてのステップを踏み出したかった。家族にも相談して、綺麗に撮っていただけるならと挑戦を決めた」と明かしており、表現の枠を広げるための主体的な意思が結実した一冊です。