インターネット上の手相解説において最も蔓延している誤解は、「両手ますかけ線があるから、将来の富や栄光が約束されている」という根拠のない決定論です。これは手相学の現場を知る鑑定士からすれば、明白なミスリードと言わざるを得ません。
歴史上の徳川家康を見ても明らかなように、幼少期から青年期にかけて過酷な人質生活を耐え忍び、幾度もの命の危機を潜り抜けた末に天下を掴み取っています。ますかけ線がもたらすのは「成功の自動切符」ではなく、「どんな逆境や泥沼に叩き落とされても、自力で這い上がりすべてを奪い返すための精神的・知的能力の塊」に過ぎません。
明確な目標を持たず、怠惰な環境に甘んじている場合、そのエネルギーは内向きに腐食し、「ただの頑固で理屈っぽい、周囲と衝突ばかりする孤立者」として人生を空費してしまう危険性を孕んでいます。刃を研ぎ澄ます実戦の場に身を投じて初めて、この手相は真の輝きを放ちます。