半グレの歴史を語る上で欠かせないのが、東京都内の暴走族連合体であった「関東連合」や、中国残留孤児の2世・3世を中心に結成された「怒羅権(ドラゴン)」のOBグループです。2000年代から2010年代初頭にかけて、彼らは六本木クラブ襲撃事件などを引き起こし、繁華街の利権を力づくで掌握しました。
警察の徹底的な取り締まりにより、当時の著名なリーダー格の多くは逮捕、あるいは海外へ逃亡しました。かつてのような目に見える形での派手な集団行動は鳴りを潜めましたが、残党やその息のかかった後輩世代は地下に潜伏。合法ビジネスを装う企業舎弟へと姿を変えたり、海外を拠点にしたサイバー犯罪へと活動領域を広げたりしています。
そして2026年代半ば以降、警察庁が新たに定義したのが「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)」です。トクリュウは従来の地縁すら排除し、テレグラムやシグナルといった秘匿性の高い通信アプリを通じて、犯行ごとに見知らぬ者同士が集まり、犯行後は即座に解散します。かつての半グレ幹部が「指示役」としてピラミッドの頂点に君臨し、末端の実行役とは一度も顔を合わせない構造が確立されています。