タオルの持ち帰りに関して多くの人が混乱する背景には、日本の伝統的な温泉旅館における独自の慣習があります。温泉宿に宿泊した際、小さな薄手のタオルを記念に持ち帰った経験がある人は多いはずです。
温泉旅館で持ち帰りが許可されているのは、基本的に「宿の屋号やロゴが印刷された薄手のフェイスタオル」のみです。これらのタオルは「平地付きタオル」と呼ばれ、宿泊客が記念に持ち帰って家庭で使ったり近所に配ったりすることで宿の宣伝になるという、広告宣伝費としての役割を兼ねて提供されてきた歴史があります。透明なビニール袋に歯ブラシと一緒に封入されているものは、最初から宿泊者へのプレゼント(消耗品)として設計されています。
ただし、温泉旅館であっても大浴場や客室に置かれているバスタオルや厚手の高級フェイスタオルは持ち帰り厳禁です。近年は温泉旅館でもリネンコストの削減が進んでおり、持ち帰り可能なタオルには「お持ち帰りいただけます」、持ち出し不可のリネンには「お持ち帰りはご遠慮ください」と明記された案内板が設置されるケースが主流となっています。記載がない場合は、フロントへ一言確認するのが確実です。