この隠蔽された巨大スキャンダルを白日の下に引きずり出した最大の立役者は、妥協なき調査報道ジャーナリズムであった。地方紙マイアミ・ヘラルドのジャーナリストたちが数年間にわたり被害者たちの声を聞き続け、封印されていた司法取引の不条理を暴いた記事が、社会を大きく動かしたのだった。
また、この事件はエンターテインメントやメディアの領域でも大きな関心を集めている。実話犯罪を扱うトゥルー・クライムジャンルの隆盛とともに、数々の追及ドキュメンタリーが制作された。なかでもNetflixが配信した『フィルシー・リッチ: ジェフリー・エプスタインの金と権力』は、被害者たちの生の証言を丁寧に紡ぎ出し、世界的な反響を呼んだ。
報道と映像メディアが果たした役割は、単なる好奇心の充足にとどまらず、権力者たちが隠蔽しようとした真実を大衆の知るところとし、司法再捜査への大きなうねりを作り出したと言える。