インターネット上の掲示板やSNSでは、ホテルクライトン新大阪に関して事実と異なる誤解や噂が散見されます。調査報道の観点から、代表的な2つの誤解について真相を明らかにします。
第1の誤解は、「女性利用者を排除していた」「女性向け設備が不当に制限されていた」という論調です。同館の大浴場とサウナが「男性専用」であったことから生じた疑問ですが、これは建物の構造設計当時の時代背景に起因する制約でした。1990年代初頭のビジネスホテルは、宿泊客の85〜90%が単身男性ビジネス客であり、限られた容積率の中で男女双方のフルスペック浴場を配置することは物理的に不可能でした。
その代わり、同ホテルでは女性客に対してレディースアメニティの充実や、専用レディースフロア・客室内ジャグジー付きバスルームを備えた特別プランを用意するなど、空間的な制約の中で最大限の配慮を行っていました。差別的な意図によるものではなく、当時の建築規格における合理的な経営資源配分の結果であったといえます。
第2の誤解は、「夜逃げ同然の倒産・経営破綻だった」という言説です。前述の通り、同ホテルを運営していた法人は、取引先や宿泊予約者への補償対応を誠実に行い、従業員の再就職支援等を実施した上で秩序あるクローズを実行しています。ネット上で過激に語られがちな「夜逃げ説」は全くの虚偽であり、名門ビジネスホテルとしての矜持を保った形での営業終了でした。