地方の実業高校に対して、ネット上では「学力が低いから進学実績が出ないのではないか」「授業が荒れているのではないか」といったステレオタイプな偏見が散見されることがあります。しかし、教育現場の取材や進路追跡データから見える実態は、そうした憶測とは大きく異なります。
第一の誤解は、「大学進学ができない」という思い込みです。確かに同校の卒業生の多くは就職を選択しますが、指定校推薦や総合型選抜(旧AO入試)を利用して、琉球大学や沖縄国際大学、名桜大学をはじめとする県内大学、さらには日本大学や東京農業大学などの県外私立大学へ進学するルートが毎年確立されています。普通科で学力競争に埋没するよりも、専門高校で学年上位の評定平均(内申点4.0以上)をキープし、各種検定や全国農業クラブ・生徒商業研究発表大会の実績をアピールするほうが、結果として難関大学の推薦枠を有利に勝ち取れる構造が存在します。
第二の盲点は、「高校に入れば自動的に資格が取れて就職できる」という受動的な姿勢のリスクです。実業高校の学びは、自主的に手を動かし、レポートを作成し、実習に真摯に取り組む姿勢がなければ単位を落とす恐れがあります。定期考査だけでなく実技評価が厳密に行われるため、「勉強が楽そうだから」という安易な動機で入学した生徒ほど、最初の実習でギャップに直面します。