旬の時期に出回る「生の朝掘りたけのこ」と、年中手軽に手に入る「水煮たけのこ」では、下処理の工程が味の仕上がりを大きく左右します。
生たけのこのアク抜きは、収穫直後からの時間との勝負です。皮の先端を斜めに切り落とし、縦に1本深い切れ目を入れたら、たっぷりの水に米ぬか1カップと赤唐辛子1〜2本を加え、落とし蓋をして弱火で約40〜60分茹でます。根元に竹串がスーッと通る硬さになったら火を止め、ゆで汁に浸したまま完全に冷ますのがえぐみを完全に抜くための最重要工程です。
一方、忙しい日常で重宝される「水煮たけのこ」ですが、「特有の酸っぱい匂いやカルキ臭が気になる」という声が少なくありません。水煮特有の保存液臭を消すプロのテクニックは、調理前に熱湯で2〜3分サッと茹でこぼし、ザルに上げて酒少々を振りかけておくことです。このワンステップを踏むだけで、酸化防止剤(クエン酸等)の酸味が揮発し、生たけのこに迫る澄んだ風味が蘇ります。
また、たけのこの節の間に見られる白い粉状の付着物は、旨味成分のアミノ酸の一種である「チロシン」です。無害であり健康にも良い成分ですが、食感を滑らかに仕上げたい場合は爪楊枝などで軽く取り除くか、煮汁でしっかり煮溶かすのが綺麗に仕上げるコツです。