「少人数プラン29万円」といった広告コピーを見てブライダルサロンを訪れたカップルの大半が、最終的に80万〜100万円超の請求書を受け取ることになります。これはブライダル業界特有の積算構造に起因するものです。
ネット上の情報では「プラン料金だけで完結した」という極端な成功談が散見されますが、現場の取材で見えてくる現実は全く異なります。初期見積もりから数十万円跳ね上がる主な要因は、以下の3点に集約されます。
第一の要因は「衣装の基本枠設定」です。格安プランに含まれる衣装代金(例:ドレス10万円分・タキシド5万円分)の枠内では、デザインが極端に型落ちしたものや装飾のない極めてシンプルな1〜2着しか選べない契約設計になっています。実際にサロンで並ぶ人気ドレスを選ぶと、差額として15万〜30万円の追加料金が平然と発生します。
第二の要因は「料理とドリンクの基本グレード」です。家族のみの食事会では「演出が少ない分、料理だけは最高のものをもてなしたい」という心理が働きます。しかし、初期見積もりに設定されているコース料理は最低ランク(1人1万円前後)であることが多く、メインの肉料理が牛フィレ肉ではなく国産豚や鶏肉になっているケースすらあります。満足のいくコース(1人1万8000円〜2万5000円)へランクアップし、乾杯酒やフリードリンクの銘柄を広げるだけで、10名で約10万〜15万円の増額となります。
第三の要因が「写真撮影とデータ納品」です。プラン内の「写真1ポーズ台紙付き」は、親族集合写真が1枚紙のアルバムで渡されるだけの意味であり、当日のスナップデータは1枚も含まれていません。挙式から会食までのスナップ撮影と全カットデータ購入を追加すると、それだけで10万〜20万円の追加費用が計上されることになります。