カラオケボックスで誰もが一度は目にする「全国平均点」。曲の演奏終了後に画面中央へ表示されるあの数値は、一体どのように算出されているのでしょうか。結論から言えば、一般的な楽曲におけるカラオケ一般人平均スコアはおおむね80点から83点の間に収束します。70点台後半から80点台前半を取ったとしても、それは決して「劣っている」わけではなく、母集団の中央にしっかりと位置している証拠です。
ただし、この平均値は全国のプレイヤーが歌唱したデータの単純平均ではありません。通信カラオケ2大巨頭である第一興商(DAM)とエクシング(JOYSOUND)のシステム特性を精査すると、採点基準に明確な設計思想の違いが見えてきます。
まず、第一興商のフラッグシップであるカラオケ平均点DAMシリーズ、特に2020年代以降のスタンダードとなった「LIVE DAM Ai」搭載の精密採点Ai平均点は、非常にシビアな採点設計で知られています。膨大なプロ歌手の歌唱データをディープラーニングさせたAIが「人間らしい歌唱ニュアンス」を判定する仕組みですが、音程バーからミリ単位で外れると容赦なく減点されます。そのため、精密採点Aiにおける一般的な平均点は81点〜82点前後にとどまるケースが多く、初見の曲やアップテンポな難曲では70点台に急落することも珍しくありません。
一方で、エクシングが展開するカラオケ平均点JOYSOUNDの「分析採点」シリーズは、比較的エンターテインメント性を重視したアルゴリズムを採用しています。音程の判定幅がDAMよりもわずかに寛容に設定されており、しっかりと声量を保ってリズムに乗れていれば、点数が伸びやすい傾向があります。JOYSOUNDでの平均点は82点〜85点前後と、DAMに比べて2点から3点ほど高めに出るのが通例です。
さらに見逃せないのが、全国平均点比較の罠です。採点画面に表示される平均値は、その曲を歌った「過去の全履歴」から算出されます。つまり、その曲を愛して何十回も歌い込んでいる熱心なファンや、高得点を狙うスコアアタッカーの記録が母数を押し上げているのです。マイナーな難曲ほど「歌い慣れた猛者」しか歌わないため、全国平均点が86点や87点という異常な高水準に跳ね上がり、一般の歌唱者が置いてけぼりを食らう現象が日常的に発生しています。
なお、カラオケ男女別平均点に関しては、声域と楽曲キーの一致度が大きく影響します。男性が原曲キーのまま女性ボーカル曲を無理に歌えば70点台に沈み、逆に自分に合ったキー調整を行えば、性別による平均点の差異は統計的にほとんど見られません。