「複雑なステップや高度な技は、観賞用としては優れていても、SNS上での拡散という観点では逆効果になることがある」——業界で活躍するプロの振付師はそう指摘する。SNS時代の振付には、従来のステージ演出とは全く異なる「再現性」という指標が強く求められる。
バズるダンス動画に共通しているのは、上半身を中心としたカメラフレーム内に収まるコンパクトな動きだ。自撮りスマホの画面に収まりやすく、誰でも鏡の前で数分練習すれば再現できる絶妙な難易度に設計されている。手先の細かいニュアンスよりも、誰の目にも明らかな「横へのスイング」という大胆かつシンプルな記号性が、ヒットを生み出す黄金比となっている。