名門・東京女子大学を卒業後、新聞記者やフリージャーナリストを経て、日本における女性学・フェミニズムの先駆けとして言葉を発信し続けてきた樋口恵子氏。彼女が歩んだ道は、常に時代の先頭を切るものだった。
家庭と仕事の両立が現在ほど叫ばれていなかった昭和の時代、締め切りに追われ、日本全国を講演で飛び回る母の背中を、娘はどのような思いで見つめていたのだろうか。近親者の証言によれば、家庭内での樋口氏は決して「上から目線の論客」ではなく、一人の人間として娘と対等に向き合う姿勢を貫いていたという。
過剰な干渉をせず、個人の意志を尊重する子育てスタイル。それこそが、幼少期の娘に強い自立心を芽生えさせる原動力を与えた。