高校受験 英検 ネットの反応と評判をリサーチすると、保護者の切実な苦悩と、現場の生徒たちが直面するストレスが浮き彫りになります。
大手質問サイトやSNSの育児アカウントでは、毎週末のように次のような生々しい投稿が繰り返されています。
「周りのママ友はみんな中2で準2級を取らせている。我が子は3級止まりで、このままでは志望校の推薦基準に届かないと焦る」
「S-CBTを毎月のように受けさせているが、あと15点スコアが足りない。検定料ばかりが消えていき、子どもの顔から生気が消えている」
現場を取材すると、こうした「英検依存症」とも呼べる過熱感が、思わぬ入試失敗を引き起こしている実態が見えてきます。ある公立中学校の進路指導主任は、眉をひそめながらこう警鐘を鳴らします。
「英検の準2級や2級を取ることだけに執着し、中3の夏休みという極めて貴重な時期に、英語の長文読解と英作文ばかりを対策していた生徒がいました。結果として準2級には受かったものの、放置していた数学と理科の基礎固めが間に合わず、秋の実力テストで偏差値が8も急落してしまったのです。英検で内申点が1点上がったところで、本番の学力検査で他教科が崩壊すれば、当然ながら不合格になります」
社会学や家族心理学の視点からこの現象を捉え直すと、昭和・平成の受験競争に見られた「ステージママ文化」が、現代の複雑な入試制度と融合した結果、「親の不安の代理消化」として英検が使われている側面を指摘せざるを得ません。子どもの学力や適性を客観視できず、検定資格という目に見える「称号」を買い集めることで親自身の安心感を得ようとする母子共依存的な力学が働いているケースがあります。
親が築くべきは、子どもとの健全な「心理的バウンダリー(境界線)」です。英検はあくまで入試という総力戦を有利に進めるためのツールの一つに過ぎず、子どもの自己肯定感を削ってまで強制的に受験させるものではありません。