主人公アルマンドを演じたのは、チリが誇る名優アルフレド・カストロだ。彼の抑え込まれた感情表現と、瞳の奥に宿る仄暗い狂気は、画面越しでも皮膚に触れるようなリアリティを放つ。セリフに頼らず、身体の佇まいだけで孤独の深淵を表現した演技は、世界中の批評家を唸らせた。
一方で、街の不良少年エルダー役に抜擢されたルイ・シウバのキャスト秘話も見逃せない。プロの俳優ではなかった彼をベネズエラのストリートで見出し、過酷なワークショップを経てカメラの前に立たせた。カストロの圧倒的な存在感に対し、生の暴力性と脆さを剥き出しにしてぶつかり合った新人キャストの化学反応こそが、作品に比類なきリアルをもたらしている。