今や静岡・清水エリアの居酒屋に広く浸透しているカレーもつですが、その起源は終戦直後の混沌とした時代にまで遡ります。金の字 本店の初代店主・杉本金一氏が、当時手に入りにくかった食材のなかで、独特の臭みを持つ豚もつをいかに美味しく大衆に提供できるかを試行錯誤したことがすべての始まりでした。
当時、まだ一般家庭には馴染みが薄かった異国の調味料「カレーパウダー」に着目し、秘伝のタレとブレンドして大鍋でじっくりと煮込む調理法を考案。豚の小腸(シロ)を串に刺し、何十年も継ぎ足されてきた旨味凝縮の濃厚スープでコトコト煮詰めるスタイルは、港町・清水で働く労働者たちの胃袋を瞬く間に掴みました。スパイスの爽快な刺激と豚脂の甘み、タレの深いコクが三位一体となった味わいは、半世紀以上の時を経た現在も変わらぬ製法で受け継がれています。