竹田城の起源は室町時代、応仁の乱の西軍総帥として知られる山名宗全が但馬進出の拠点として築かせたことに遡る。その後、羽柴秀長らによる改修を経て、安土桃山時代に現在見られる壮大な総石垣の城郭が完成した。日本100名城にも選定されているこの遺構は、天守などの木造建築を失いながらも、自然の巨石を巧みに積み上げた「野面積み」の石垣が今なお圧倒的な威容を誇る。
この荒削りで孤高な佇まいは、数々の映像作品の作り手を魅了してきた。角川映画の金字塔映画『天と地と』では、川中島の戦いに臨む武田信玄と上杉謙信の宿命を象徴するロケーションとして巨大なオープンセットが組まれた。さらにNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』のオープニング映像でも、朝露に濡れる石垣が強い印象を残した。歴史の激動を静かに見届けてきた古城だからこそ、朝霧を纏った姿に人々は無常観と美学を見出すのだろう。