ブランドの看板を背負うあきんどスシロー、そして持株会社である株式会社FOOD & LIFE COMPANIESを率いる水留浩一社長の意思決定は極めて迅速だった。かつてない危機に直面した経営陣は、当初から「刑事・民事の両面で厳正に対処する」と明言。事態の早期幕引きを図るための曖昧な謝罪受け入れを頑なに拒否した。
この毅然とした対応の背景には、外食ビジネスの根幹である「食の安心・安全」を守り抜くという強い意志があった。一歩でも妥協を見せれば、模倣犯の連鎖を許し、何万人もの従業員と善良な来店客を危険に晒すことになる。徹底抗戦の構えを貫いたことで、当初は下落した株価も徐々に回復へと向かい、結果として企業の危機管理におけるひとつの教科書的な事例となった。