健康診断で指摘される代表的な指標が「血清アミラーゼ」と「空腹時血糖・HbA1c」です。なぜ食生活の変更だけでこれらの数値が劇的に改善へと向かうのでしょうか。 消化器病専門医の臨床データを紐解くと、血清アミラーゼの基準値はおよそ40〜125 U/Lとされています。この数値が跳ね上がる主因は、膵管の通過障害や過度な消化刺激による細胞膜の微小損傷です。膵液が血管内へ漏れ出してしまうことで高アミラーゼ血症が引き起こされます。 急性膵炎や慢性膵炎の食事療法において、学会のガイドラインでは1日の脂質摂取量を20g〜30g以下に厳格制限するフェーズが設けられます。油分を断つことで、リパーゼとともにアミラーゼを分泌する外分泌腺の物理的圧力が一気に低下し、腺房細胞の自己消化リスクが去るためです。
臨床現場において、脂っこいラーメンや夜間のスナック菓子を常食していた患者が、脂質を1食あたり10g未満に抑えるメニュー(雑炊、蒸しタラ、茹で野菜)に切り替えたところ、わずか6〜8週間で180 U/Lを超えていたアミラーゼ数値が75 U/Lの正常域へと回復した事例が多数報告されています。膵臓組織は刺激を取り除けば、驚くべき自己修復力を発揮します。