頬の盛り上がりや違和感を引き起こす要因は、単一の施術だけでなく複数の処置の相互作用によっても生じます。代表的な美容医療アプローチごとに、発生しやすいトラブルの背景を整理します。
1. ヒアルロン酸注入:層の選択ミスと過剰量による「しこり化」
手軽さから人気のヒアルロン酸ですが、ヒアルロン酸の頬注入で笑うと不自然になる最大の理由は「注入層」と「製剤の硬さ」の選択ミスです。本来、骨の萎縮を補うためには骨膜上の深層に適度な硬さの製剤を少量置く必要がありますが、浅い皮下脂肪層に多量注入してしまうと、笑った際に筋肉の動きと乖離して塊として浮き上がります。また、製剤が水分を吸収して膨張し、時間の経過とともに硬いしこりのような触感を生むケースも少なくありません。
2. メーラーファット除去・脂肪吸引:組織の癒着と不自然な段差
小顔化を狙ったメーラーファット除去のデメリットとして見落とされがちなのが、皮下組織の線維化と癒着です。頬骨周辺の脂肪を過度に取り除くと、皮膚と表情筋が直接癒着し、笑った際に引きつれや不自然なくぼみ・段差を形成します。さらに、頬の脂肪吸引の経過において、術後3〜6ヶ月の拘縮期を過ぎても笑顔のこわばりが残る場合、脂肪の取りムラによる組織の硬化が疑われます。
3. バッカルファット除去とボトックスの盲点
口元の横にある深部脂肪を除去するバッカルファット手術ですが、適応を見誤ると下垂を防ぐどころか頬がコケ、相対的に上部のバッカルファット周囲の頬肉が盛り上がるように見えてしまう逆効果を招きます。また、エラや口角周囲の表情筋ボトックスの効きすぎによって特定の筋肉が動かなくなると、代償作用として頬の筋肉だけが過剰に収縮し、頬のふくらみが異常に強調される事態が起こり得ます。