折り紙は、制作する人の年齢や身体状況に応じた柔軟なアプローチが求められる表現手段です。教育・福祉の現場では、それぞれどのような工夫が取り入れられているのでしょうか。
母の日折り紙幼児保育園の実践現場を取材すると、東京都内の認可保育園で主任保育士を務める女性は次のように語ります。「2歳から3歳児のクラスでは、ハサミや複雑な角合わせは一切行いません。あらかじめ保育士が角を少し折った赤い折り紙を渡し、子どもたちには指先で『アイロンをギュッとかけてね』と折り目を押さえさせたり、シールを貼ってカーネーションの花芯に見立てる工夫をしています。自著や指導案でも強調していますが、『大人が手を出しすぎず、子どもが自分の力で完成させた達成感』こそが、保護者にとって最大のギフトになります」
一方、介護施設における母の日折り紙高齢者レクリエーションでは、異なる配慮が求められます。加齢に伴う手指の巧緻性(こうちせい)低下や視力低下を考慮し、通常サイズの折り紙ではなく、20cm〜25cm角の大判折り紙を使用する事例が目立ちます。工程数も最大5ステップ程度に抑え、あらかじめ折り筋をつけておくなどの事前準備を行うことで、認知症の初期段階にある方や片麻痺のある利用者でも無理なく参加できる環境が整えられています。完成した花を台紙に貼り、家族への感謝の言葉を添える共同制作スタイルは、自己効力感を高めるリハビリテーションとしても高い評価を得ています。