映画『海猿』シリーズが打ち切りとなった決定的な要因は、テレビ局と原作者の間に生じた権利とリスペクトを巡る構造的トラブルにあります。興行的な失敗ではなく、ビジネス倫理と契約関係の破綻が原因でした。
事態の発端は2012年10月、原作者の佐藤秀峰氏が自身のSNSで、フジテレビの情報番組スタッフによるアポなしの突撃取材を受けたことに対し、強い不快感を表明したことでした。さらに、フジテレビ側が佐藤氏の許諾を得ずに『海猿』関連の書籍(イラスト集・関連本)を出版していた事実が発覚。クリエイターとしての権利を軽視された佐藤氏は、「フジテレビとは今後一切の新規契約を結ばない」と絶縁を宣言するに至りました。
その後、フジテレビ幹部による直接謝罪などを経て一時は和解の道も模索されましたが、2015年に映画化・映像化に関する包括契約が満了。契約更新が行われなかったことで、シリーズの続編制作は完全に白紙化され、既存作品の商業利用にも厳しい制限が課されることとなりました。