一見すると、返答の意味すら分からない状況で3回しか質問できないため、特定は不可能に思えます。しかし、形式論理学の高度なテクニックを駆使することで、確実に答えを導き出す数学的ルートが存在します。この「世界一難しいクイズ 解答」にたどり着くための思考プロセスは、大きく分けて2つの壁を突破することにあります。
第1の壁は、「da」と「ja」の真意が分からなくても、確定的な情報を引き出す「質問の自己言及化」です。第2の壁は、完全な運で答えを撹乱してくる「ランダム」の神を、最初の1問目で質問対象から排除することです。
ブーロス氏が提示した解答の核心は、次のような仮定法の二重質問を構築することでした。「もし私があなたに『質問Q』と尋ねたら、あなたは『da』と答えますか?」という形式を取る点にあります。
この質問形式を用いると、相手が「真実の神」であれ「嘘つきの神」であれ、驚くべき現象が起こります。
・もし質問Qの内容が客観的に「真」である場合、相手が真実の神でも嘘つきの神でも、必ず「da」と答えます。
・もし質問Qの内容が客観的に「偽」である場合、どちらの神であっても必ず「ja」と答えます。
つまり、相手が嘘をつく性質と、「da/ja」の意味の反転という2つの未知数が綺麗に打ち消し合い、「da」=質問Qが真、「ja」=質問Qが偽という固定された結果だけを取り出すことができるのです。これにより、言葉の意味が分からないという最大のハンディキャップが無力化されます。
この論理兵器を手にした上で、実際の3ステップの解答手順は次のようになります。
【ステップ1:ランダムの神を孤立させる】
まず神Aに向かって、「もし私があなたに『神Bはランダムの神ですか?』と尋ねたら、あなたは『da』と答えますか?」と質問します。返答が「da」であれば神Cは絶対にランダムではありません。返答が「ja」であれば神Bは絶対にランダムではありません。これで2問目以降に「確実に真実か嘘のどちらかしか言わない神」を1柱確定させることができます。
【ステップ2:基準となる神の正体を特定する】
ステップ1で「ランダムではない」と判明した神(仮に神Cとします)に対し、「もし私があなたに『あなたは真実の神ですか?』と尋ねたら、あなたは『da』と答えますか?」と質問します。「da」と答えれば神Cは「真実の神」、「ja」と答えれば神Cは「嘘つきの神」であることが確定します。
【ステップ3:残りの2柱を一挙に識別する】
すでに正体が割れた神Cに対し、最後の質問を行います。「もし私があなたに『神Aはランダムの神ですか?』と尋ねたら、あなたは『da』と答えますか?」と問えば、神Aがランダムか否かが判明し、消去法によって残る神Bの正体も自動的に決定します。
このエレガントな論理解法こそが、正解率1パーセント未満と言われる難攻不落のパズルをねじ伏せる唯一無二の鍵となります。