有馬の街を歩くと必ず耳にするのが、「金泉」と「銀泉」という二大源泉の比較だ。威風堂々たる存在感を放つ金の湯が鉄分と塩分を豊富に含み、濃い赤褐色を呈しているのに対し、銀の湯で満たされているのは透き通った無色透明の湯である。
その正体は、二酸化炭素が含まれた炭酸泉と、微量のラドンを含むラジウム温泉の混合泉だ。湯船に身を沈めると、肌表面に細かな気泡が静かに付着するのを感じる。お湯自体はサラリとしており、長湯をしても身体への負担が少ないのが大きな特徴だ。刺激的な金泉で汗をかいた後、銀泉でさっぱりと肌を整える「はしご湯」こそが、ツウな湯治客の常識となっている。