国際大会のたびにSNSや掲示板などで過熱したのが、真鍋監督の選手選考と采配に対する賛否両論でした。特にパリ五輪に向けたメンバー選考では、セッター陣の選出(関菜々巳選手、岩崎こよみ選手など)やミドルブロッカーの配置、オポジットの起用法を巡って活発な議論が巻き起こりました。
「お気に入り起用」批判の誤解と真実
一部のネットコミュニティでは「特定の選手が優遇されているのではないか」という声が上がることがありました。しかし、代表チームのアナリストやコーチングスタッフの証言を辿ると、選考の基準は徹頭徹尾「対戦相手のデータと守備バランス」に基づいていました。
たとえば、アウトサイドヒッターにおける林琴奈選手の重用は、彼女のずば抜けたパスヒッター能力(サーブレシーブ成功率の高さとディフェンス範囲の広さ)が、古賀紗理那選手や石川真佑選手の攻撃力を最大限に引き出すための不可欠なピースだったからです。単に得点力のあるアタッカーを並べるのではなく、トータルディフェンスの破綻を防ぐ「数字に表れにくい守備貢献度」を最優先した結果でした。
大型化路線とスピード路線のジレンマ
宮部藍梨選手のミドルブロッカー起用や山田二千華選手のブロック力強化など、高さ対策への模索も続けられました。しかし、海外列強が190cm台後半のアスリートを揃える中、日本の平均身長(約175cm前後)で対抗するには、ブロックのワンタッチから切り返す「ディグ&トランジション」の精度を極限まで高めるしかありませんでした。現場関係者は「選考に迷いはなく、世界の高さに対抗しうる最も勝率の高い組み合わせをデータが導き出していた」と証言しています。