実際にコンクールへ子どもを参加させた保護者や指導者は、どのような手応えや葛藤を抱いているのでしょうか。SNSコミュニティ、保護者の個人ブログ手記、そして指導現場への直接取材から浮かび上がったリアルな証言を検証します。
「予選の段階から、審査員5名全員がびっしりと書いた講評用紙を当日手渡されたときは驚きました。『右手小指のタッチが抜ける癖がある』『弱音でのブレスの取り方を工夫すると音楽がより立体的に聴こえる』など、普段の先生以外の視点から具体的な指摘をもらえたことが、本人の大きな飛躍につながりました」(都内在住・小5ピアノ部門参加者の保護者手記より)
このように、「審査員の講評が迅速かつ手厚い」という点は、参加者の口コミでほぼ満場一致の高評価を集めています。一般的なコンクールでは点数のみの通知や、簡易的な一言コメントにとどまることも珍しくない中、東京国際芸術協会のコンクールは指導者にとっても「今後のレッスン方針を修正するためのセカンドオピニオン」として重宝されています。
一方で、手厳しい現場の指摘も見逃せません。
「本選会場の待合室では、緊張感よりも保護者同士の視線の探り合いが凄まじかった。自由曲制であるため、小中学生であってもショパンのバラードや難易度の高いスケルツォを無理やり弾かせているケースが見受けられます。技術が追いついていないのに大曲を選んで自滅してしまう子や、親の重圧で舞台裏で泣き出してしまう子を見ると、コンクールの功罪を感じざるを得ません」(弦楽器部門の指導に携わるバイオリニストの証言)
自由曲制であるがゆえに「難しい曲を弾かせれば点数が高くなるのではないか」という選曲の罠に陥り、かえって音楽的な完成度を落としてしまうケースが後を絶ちません。この選曲バランスの難しさが、現場の悩みとして色濃く反映されています。